高齢期の洗面・脱衣室
洗面・脱衣室は「広さ」だけじゃない。将来まで使いやすい間取りの考え方
毎日使う洗面・脱衣室。
家づくりでは、
「洗濯機と乾燥機を置きたい」
「タオルや着替えをたくさん収納したい」
「できるだけスッキリ見せたい」
といったご要望をいただくことが多い場所です。
もちろん収納量や家事動線は大切です。
でも、長く暮らす家だからこそ、もう一つ考えておきたいことがあります。
それが、
「年齢を重ねても、この洗面・脱衣室を使いやすいだろうか?」
という視点です。
意外と立ったままの動作が多い場所
洗面・脱衣室では、
- 顔を洗う
- 歯を磨く
- 着替える
- 洗濯物を出し入れする
- 洗面台で身支度をする
など、立った状態や中腰で行う動作がたくさんあります。
若いうちは何気なくできていても、年齢を重ねると、こうした動作が負担になることがあります。
特に着替えは、片足立ちになったり前かがみになったりするため、バランスを崩しやすい動作の一つです。
だからこそ、洗面・脱衣室には**「座れる場所」**があると安心です。
「椅子を置けるスペース」を最初から考える
広さに余裕があれば、椅子やベンチを置いて、座って着替えられるようにしておく。
これだけでも、将来の使いやすさは変わります。
とはいえ、
「そのためだけに洗面脱衣室を広くするのは難しい」
という場合もあります。
そんなときは、壁に収納できる折りたたみ式の椅子などを取り付けられるよう、あらかじめ考えておく方法もあります。
大切なのは、最初から設備を全部取り付けることではありません。
「必要になったときに対応できる家」にしておくこと。
これも、長く暮らす家づくりでは大切な考え方だと思います。
収納は「床」ではなく「壁」を上手に使う
洗面・脱衣室は、タオル、着替え、洗剤、日用品など、とにかく物が増えやすい場所です。
そのため、ついつい床から天井まで収納をつくりたくなります。
でも、床のスペースを収納でいっぱいにしてしまうと、将来、椅子を置いたり、車いすを使ったり、介助が必要になったときにスペースが足りなくなることがあります。
そこで活用したいのが壁面収納です。
壁の厚みや上部の空間を上手に使って収納を確保しておけば、床面をできるだけ広く残すことができます。
「収納量を増やす」だけでなく、
どうすれば人が動ける空間を残せるか。
そんな視点も大切です。
手すりも「今付ける」だけが正解ではありません
もう一つ考えておきたいのが手すりです。
今は必要なくても、将来、
「ここに手すりがあったら安心だな」
と思う日が来るかもしれません。
そんなとき、壁の中にあらかじめ下地を入れておけば、必要になったタイミングで手すりを取り付けやすくなります。
見た目は今までと変わりません。
でも、壁の中には将来への準備がしてある。
こういう工夫は、完成した家を見ただけでは分からない部分ですが、長く住んでいくほど意味が出てくるものだと思います。
「今の便利」と「将来の安心」を一緒に考える
家づくりをするときは、どうしても今の生活を基準に考えます。
それは当然のことです。
でも、家は10年、20年、30年と暮らしていく場所。
家族構成も変わりますし、自分たちの身体も少しずつ変化していきます。
だからハッチホームでは、
今、使いやすいこと。 そして、将来もできるだけ暮らしやすいこと。
その両方を考えながら家づくりをしていきたいと思っています。
大がかりなバリアフリー設備を最初から付けるということではありません。
椅子を置ける少しの余白を残しておく。
壁を有効活用して収納する。
将来手すりを付けられるよう、下地だけ準備しておく。
そんな小さな工夫が、何年か先の「この家でよかった」につながるのかもしれません。
家づくりは、間取りを考えるだけではなく、そこで続いていく暮らしを考えること。
これからも、そんな視点を大切にしていきたいと思います。


